【辻褄を合わせる】 |
「辻褄を合わせる」、この言葉を辞書で引くと「筋道が通るようにする」と書いてある。 しかし「辻褄合わせの嘘」というように決していい意味だけで使われる言葉ではないようだ。 すき家で働いているとこの「辻褄を合わせる」という言葉が非常によく当てはまることがわかる。 すき家の従業員はよく「売り上げがなければ削れ」、「デイリーをつけるな」、「労働時間を調整しろ」等言われる。 これらはすべて何を意味しているのかといえば会社が働いているアルバイトに「タダ働きをしろ」と強要しているのである。 「デイリー」というのは「デイリー勤怠報告書」の略で出勤簿を意味する。 つまり「デイリーをつけるな」というのは、会社がアルバイトに対し「自らの意思で出勤簿をつけるな」と強要しているのである。 「今月は労働時間がオーバーしているので削ってください」というのもまた同様である。 すき家の基準では従業員の労働時間を決められた労働時間内に抑えなければならない。 忙しくて残っても給料が発生しないのはもちろんのこと、売り上げが予定に満たなければ実際働いていても働かなかったことにしなければならない、 つまり「労働時間」の「辻褄を合わせなくてはならない」のだ。 食材についてもまた同様である。 よく「深夜にすき家で食事をしたら肉カスみたいな牛丼を出された」という経験はないだろうか? 実はここでもこの「辻褄を合わせる」ということが関係しているのだ。 最近では強盗被害の影響からか、深夜ワンオペ等の少ない人数で働かせているのが有名になった感がある。 この「少ない人数でシフトをする」ことを可能にしているのは実は「食材のキープ量を多くする」ことなのだ。 適正なキープ量であるのなら何の問題もないだろう。 しかし実際にはほとんどの店舗で「オーバーキープ」であり「ホールディングタイム」が全く守られていないというのが現状なのだ。 すき家のことをよく知らない人は「古くなった食材は捨てればいいじゃないか」と思うかもしれない。 しかし「原価率」という圧力がかけられている以上、安易に捨てられないというのが現状なのだ。 つまりすき家では店舗の売り上げにより決められた予算が存在し、原価率がオーバーしている場合、 従業員が規定より少なく盛ったり、ロスの食材を使用したりして辻褄を合わせているのだ。 個人経営の店ではそれでもよいだろう。だが「すき家(=ゼンショー)」は東証1部上場企業なのだ。 大企業として少なくとも客の支払った代金分の商品を提供して欲しいものだ。 |