【すべては原価を出すために 「食材クオリティ編」】 |
会長 「最近のマネージャーは食材も安易に捨てないし、捨てさせなくなったよな。」 会員A 「単価の高いタレは昔からですよ。 よく「牛丼1杯の純利益は10円くらい」って聞くけど 傷んでいるものを律儀に捨てていたら利益なんて出ないでしょうからね。」 会員B 「タレは高い割に傷みやすいですからね。毎年どこかの店舗でクレームがあるくらいだし…」 会長 「「牛丼のタレ」はともかく「豚丼のタレ」なんてすぐ酸っぱくなったりするしな。」 会員A 「それ以外にも沸騰させてタレが焦げたりする場合って結構あるじゃないですか?」 会長 「売り上げがない店舗だと豚肉なんてほとんど煮ないから牛鍋の余熱で焦げたりもするしな。」 (※ツイン鍋使用の店舗の場合) 会員A 「そういう店舗でマネージャーから引き継ぐと、 シフトして気付いているハズなのに捨ててないんですよね。なぜか(笑)。」 会長 「タレ1本「ロスる」となると普段「原価」とか気にしないようなマネでも躊躇するよな。」 (※「ロス」=オーダーミスや賞味期限切れなどで廃棄すること) 会員A 「「タレが傷んでいるので捨てていいですか?」→「うーん…(少しの間の沈黙)…じゃあ、半分だけ捨てましょう。」 っていうのがよくあるパーターンですよね(笑)。」 会長 「なんかムカつくよな。その「半分だけ」って発想。常識的に考えて「傷んでる」+「正常」=「傷んでる」だろ。 本当は捨てたくないけど言われて「捨てるな」とも言えないし、妥協して…というところが見え見えなんだよな。」 会員B 「そう思えばマネージャーが自分で捨ててるハズですからね。 その点、クルーの場合はなんの容赦もないですしね(笑)。」 会長 「でもさあ、現実問題としてタレが焦げたらマズくて食えねえだろ。」 会員A 「苦くなりますよね。だけでなく焦げたタレで肉煮ると黒くなるじゃないですか。」 会長 「一瞬、「牛丼」か「豚丼」かの区別がつかねえよな。」 会員A 「「頼んだの牛丼じゃなくて豚丼だよ。」→「これ豚丼です。」ってやりとりお客さんと結構しましたよ(笑)。」 会員B 「そういう場合、お湯を足すと結構いけますよ。」 会長 「お前バカか? 煮詰まっている訳じゃねえんだから…お湯足したら味しなくなるだろ!!」 会員A 「いや、実際そういうのあるんですよ。お客さんに「全然、味しないよ。」って言われてブリックス(※)見ると 全然低かったり、とか。そういう小手先の技術、マネージャーは得意ですからね。」 (※ブリックス(値)、タレの濃度、数字が高いほど濃い。マニュアル上の数値は16) 会員A 「しかも捨てられない理由が「すき家のタレの商品価値は1本10万円なんです。」(マネージャー談) っていう会社側の都合ですからね。」 会長 「たしかマネージャー用のマニュアルに書いてあるとか言ってたな。」 会員A 「以前本部に聞いたんですよ。「マネージャーが「高いから…」と言って タレが傷んでいても捨てさせてくれないんですけど…捨てていいですか?」って。」 会長 「そんなの本部に聞いたの? 「暗黙の了解」で悟ってやれよ。」 会員A 「自分は何年もダマされてきましたからね。「もちろん捨ててください」って言われましたよ(笑)。」 会長 「いかに現場で嘘が多いのかってことだよな。」 会員A 「でも実際のタレの値段は教えてくれませんでしたね。「他の牛丼屋にバラされると困るので…」って、 まあタレが高い(※)のはたしかだろうけど…」 (※一説にはタレの単価は1万円とも2万5000円とも言われる) 会長 「「他の牛丼屋にバラされると…」って、そんなのバラさねえよ(笑)。どれだけ自意識過剰なんだよ。」 会員A 「それ以外にも「毎年どこかの店舗でクレームが起きている」と説明した上で「店舗でタレを管理できないのだったら 常温で保管できるようにするか、タレ缶を小さくしたり小分けして保管したりすべきではないのですか?」 って「意見」を言ったんですよ。」 会長 「傷みやすいのはワインとか含まれているというタレの成分自体の問題だろうしな。」 会員A 「それを本部は「会社批判」と捉えたらしくて「クルーの君には関係ない!」って怒られた挙句、 「それ以前にタレはマニュアルでは冷蔵保存になっているんだから、まず冷蔵することが先だろう!?」 って言われましたね。」 会長 「いや、そういう問題じゃないだろう。未使用のタレ缶はともかく、使用中のタレ缶を冷蔵している店舗なんて 現状ではほとんどゼロなんだから…しかも大部分の店舗は豚用のタレ缶なんて1つだろうしな。」 会員A 「「関係ない」って言うのならお客さんにとっては「タレが高い」とか「原価率が…」とかは全く関係ないですからね。 会社の利益どうこう言う前に飲食店の最低条件である安全なものを提供すべきなんですよね。」 会長 「「安心・安全の…」とか言ってる会社だしな(笑)。」 ・・・ 会長 「でもさあ、うちらのシフト中の出来事ならともかく現実的な問題として、 前の時間帯から使えないものを引き継ぐことって結構あるじゃない。」 会員A 「「オーバーキープによるクオリティの劣化」ってやつですよね。」 会長 「別に「クオリティ」とか難しい言葉使わなくてもいいけど(笑)、 「これはどう見てもヤバいだろう」っていうの引き継ぐことがあるだろ? 特に牛肉とか豚肉とか…」 会員B 「よくありますね(笑)。」 会員A 「オーバーキープなのは「今日はたまたま入客なくて…」って訳じゃないですしね。」 会長 「毎日毎日本当にいいかげんにしろよと思うよな。しかもそいつらに「お前ら、さすがにこれは食えねえだろう?」 って言っても、「いや、普通に食えますよ!」って平気で言いやがるんだよ。」 会員A 「いや、「食える」、「食えない」の問題じゃないから(笑)。」 会長 「しかも、そいつら「これ、まだ食えますよ。」って言いながら新しく肉煮てるんだよ。 「なんでお前肉煮てるんだ!」→「僕のまかないです。」→「これ、あるだろう。」 →「だって自分が食うものくらいいいもの食いたいじゃないですか。」って。」 会員B 「それはチョットあからさま過ぎますね(笑)。」 会長 「だろ?」 会員A 「そのクルーにとっては「自分のまかない>お客さんに提供する商品」なんでしょうね。」 会長 「だからそいつらに言ってやったんだよ。「金払っている客がお前たちの残飯処理なのかよ!」って(笑)。」 会員B 「でも、僕はそのクルーの気持ち、多少理解できますけどね。 だって、どこの店でもまかないを(提供する商品より)多く盛ったり丁寧に脂を取ったりしてるじゃないですか?」 会長 「まあ、そうなんだろうけど、多くキープしていたのはそいつらなんだし、 「自分の責任で食います」くらいのこと言って欲しいよな。」 会員A 「提供したりロスしたりして文句を言われるのはうちらですからね。」 ・・・ 会員A 「でも、それを言うなら、売り上げのない店舗の深夜なんて本来提供できないものを出していると思いますよ。」 会長 「よくオーバーキープする言い訳として「出る時は出るんだ」っていうのがあるけど 逆に言えば「出ない時は全く出ない」んだよな(笑)。」 会員A 「ある店舗で9インした時なんて引き継いだ食材を見て「全部捨てようか」と思ったくらいのレベルでしたからね。」 会員B 「でも、後でうるさく言われると思うと捨てるに捨てられないんですよね。」 会長 「この会社のすごい所は「楽しようとして多くキープするクルー」より「いいものを提供しようとしてロスしようとするクルー」 が悪くなるというところだよな。」 会長 「本部に聞けば「「ロス」したら必ず「ロス報告」すれば問題ない」と言うけど、マネージャーにしてみれば「ロス報告」しても 結局は店舗の損害(自分の評価)になるわけだからできるだけロスしたくないというところだろうな。」 会員A 「この会社は「原価率」や「労時売上」とか、数字でしか判断しないらしいですからね。」 会長 「もちろん、それが全てというわけではないのだろうけど、それがデカイ割合を占めているのはたしかだろうな。」 |